「疲れ」「疲労」の原因は5つあると言われています。
それは、運動・労働・温度変化・精神・病気の5つで、子どもの頃は運動による肉体疲労が主な「疲れ」の原因で、大人になると労働による肉体疲労とストレスを伴う精神的な疲労が主な「疲れ」の原因になります。
「疲れ」の原因5つ
① 運動
筋肉を激しく使うことにより、筋肉にこりが発生したり、部分的に筋肉が損傷します。ただし、β-エンドルフィンという気持ちよさを感じる神経伝達物質も出るため、嫌な気分にはなりません。
② 労働
デスクワークや立ち仕事では、腕や足といった一定の筋肉のみを長時間使うことで、部分的に筋肉が固まりながら、細胞が傷ついていきます。その結果、細胞から疲労物質が発生して、だるさや重さを感じる疲れが生じます。
③ 温度変化
人の体は熱いときは体温を下げようと汗をかきますし、寒いときは体温を上げようと血流量が増えます。この動作で体内のエネルギーが消耗されます。夏場に疲れやすい方や、夏バテになりやすい方も基本的には温度変化が原因です。
④ 精神
ストレスは神経の働きを鈍くします。例えば、自律神経が乱れると、心臓の収縮から唾液の分泌まで体全体の反応が悪くなり、それが疲れの原因になります。重度の精神的疲労は神経症、心身症、躁うつ病を引き起こします。
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⑤ 病気
特定の病気が原因で疲れが続くことはよくあります。例えば、貧血、慢性肝炎などの肝臓疾患、心臓疾患の割合が多いです。特にバセドウ病や甲状腺機能低下症などの甲状腺の病気で慢性的な疲労が起こりやすいです。
「疲れ」の原因物質
保健体育の授業などで習った方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的には「疲れ」を感じさせる物質は「乳酸」であると考えられてきました。
デスクワークや立ち仕事、家事なども含めた「労働」で身体を動かすと、体内の糖質をエネルギーに変える必要があり、その過程で一緒に酸性の乳酸が発生して、細胞を傷つけているからです。
しかし、現在では乳酸はむしろ疲労回復を助けるために発生する物質で、本当の疲労物質はFF(Fatigue Factor)と呼ばれるタンパク質が原因であることがわかっています。
私たちはFFが蓄積することで疲労を感じ取ることができます。
「できます」と言ったのは、もし疲労を感じることができなかったら、身体や精神が限界を超えて働きつづけて、やがて壊れてしまうことになるからです。
そういう意味では「疲れ」は、つきあいづらい相手ではありますが、休むタイミングを教えてくれていますので、身体と精神の健康の味方でもあるのです。
★「疲労」を感じるまで
- デスクワークや立ち仕事、家事なども含めた「労働」をします
- 体を動かしたり、頭を使ったことで細胞が大量の酸素を消費します
- 細胞が酸素を消費すると、逆に活性酸素が増えます
- 活性酸素が筋肉周辺の細胞を酸化させて傷つけます
- 細胞からカリウムや老廃物が出ていきます
- 細胞の機能が低下したり、疲労物質であるFFが発生します
- 脳にFFが伝わり、疲れやだるさを認識します
人は身体を激しく動かさなくても、頭を使ったり、同じ姿勢を維持することでも、細胞が大量の酸素を消費していきます。
結果的に活性酸素を発生させて、細胞を傷つけます。そのあとに疲労物質のFFが増えることで疲労を感知することができるのです。
「疲れ」をそのままにすると危険です
でも、感じた「疲れ」をそのままにしておくことは危険です。放っておくとさらにしつこい疲労、ひどいときには病気へとつながってしまうからです。
疲れはこじれる前に、すっきり解消しておくことが大切です。できることなら、今日の疲れは今日のうちに解消することがベストです。
そのためには主に、姿勢、休養、睡眠、運動、食事の、5つのポイントがあります。
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